【アンソロジー】異形コレクションXLIX ダーク・ロマンス

井上雅彦先生編集のホラーアンソロジーが約9年ぶりに復活!

…といいつつ,既刊読んでおらず,読むのは初めて。

非常にクオリティの高い書下ろしホラーアンソロジーで,しかもSF畑の人も結構寄稿していて,大変良かった

1作品あたりのページ数があまり多くないので(長くても50頁くらい),日常生活の中でちょっとだけ読むのに丁度良く,しかも,「良いものをちょっとずつ」な感じは高級感もあり(高級コース料理みたいな),大変楽しめた

 

夕鶴の郷(櫛木理宇

いきなりとんでもなく気持ち悪い作品で度肝を抜かれる

 

ルボワットの匣(黒木あるじ)

感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいが,展開は非常に上手い

 

黒い面紗の(篠田真由美

「Tから始まる名」。最後に綺麗なオチがつく

 

禍 または2010年代の恐怖映画(澤村伊智)

めちゃくそ怖い。一般的にはあまり評価が高くないけど,「ノロイ」というのホラー映画(というかフェイクドキュメンタリー)が好きで,相通ずるものがある

 

馬鹿な奴から死んでいく(牧野修

壮大な物語のプロローグのような

グロではない

 

兇帝戦始(伴名練)

「成吉思汗ハ源義経也」を題材に一ひねりしただけなのにこんなにも面白い。伴名先生の短編集,まだ読んでないんだけど(伴名先生が編んだアンソロジーは読んだ),やはり早めに読むべきか

 

ぼくの大事な黒いねこ(図子慧)

「猫の惑星」を聞きながら読むべき作品

ねこのかわいさと残酷さが見事に表現されている

youtu.be

 

ストライガ(坊木椎哉)

華倫変作品のような読み味

 

花のかんばせ(荒居蘭)

なんだか美しい作品

 

愛にまつわる三つの掌篇(真藤順丈

三作品とも読みやすい

 

いつか聴こえなくなる唄(平山夢明

全般としては古いSFチックで,とても良い

オチも含めて古いが,このオチは要らなかったのでは…

 

化石屋少女と夜の影(上田早夕里)

展開が綺麗

 

無名指の名前(加門七海

なかなかこんな発想は出てこない

 

誘惑の民(菊地秀行

こういう作品ってある意味日本ならではなのかな,と思う

 

再会(井上雅彦

意欲作ではあると思うのだが,やはりどうにも馴染みがない感じで読みにくい