【アンソロジー】異形コレクションXLIX ダーク・ロマンス
…といいつつ,既刊読んでおらず,読むのは初めて。
非常にクオリティの高い書下ろしホラーアンソロジーで,しかもSF畑の人も結構寄稿していて,大変良かった
1作品あたりのページ数があまり多くないので(長くても50頁くらい),日常生活の中でちょっとだけ読むのに丁度良く,しかも,「良いものをちょっとずつ」な感じは高級感もあり(高級コース料理みたいな),大変楽しめた
夕鶴の郷(櫛木理宇)
いきなりとんでもなく気持ち悪い作品で度肝を抜かれる
ルボワットの匣(黒木あるじ)
感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいが,展開は非常に上手い
黒い面紗の(篠田真由美)
「Tから始まる名」。最後に綺麗なオチがつく
禍 または2010年代の恐怖映画(澤村伊智)
めちゃくそ怖い。一般的にはあまり評価が高くないけど,「ノロイ」というのホラー映画(というかフェイクドキュメンタリー)が好きで,相通ずるものがある
馬鹿な奴から死んでいく(牧野修)
壮大な物語のプロローグのような
グロではない
兇帝戦始(伴名練)
「成吉思汗ハ源義経也」を題材に一ひねりしただけなのにこんなにも面白い。伴名先生の短編集,まだ読んでないんだけど(伴名先生が編んだアンソロジーは読んだ),やはり早めに読むべきか
ぼくの大事な黒いねこ(図子慧)
「猫の惑星」を聞きながら読むべき作品
ねこのかわいさと残酷さが見事に表現されている
ストライガ(坊木椎哉)
華倫変作品のような読み味
花のかんばせ(荒居蘭)
なんだか美しい作品
愛にまつわる三つの掌篇(真藤順丈)
三作品とも読みやすい
いつか聴こえなくなる唄(平山夢明)
全般としては古いSFチックで,とても良い
オチも含めて古いが,このオチは要らなかったのでは…
化石屋少女と夜の影(上田早夕里)
展開が綺麗
無名指の名前(加門七海)
なかなかこんな発想は出てこない
誘惑の民(菊地秀行)
こういう作品ってある意味日本ならではなのかな,と思う
再会(井上雅彦)
意欲作ではあると思うのだが,やはりどうにも馴染みがない感じで読みにくい