【短編集】天体の回転について
小林泰三先生のSF短編集
「玩具修理者」が良かったので,最近の短編集にも手を出してみたが,非常にクオリティが高く,読みやすかった。SFではあるのだけど,小難しくはなくて,アイデア一発で読ませるような作品が多く,楽しい
天体の回転について
軌道エレベーターモノ
灰色の車輪
ロボット三原則は,やはり知性あるロボットに適用するのは無理があるのでは,という話
あの日
これはコメディだと思いますよ!漫画で読んでみたい
性交体験者
エロ&グロ!カマキリ人間の話かな?
銀の舟
私も人面岩は大好きなんですよ
三〇〇万
「300」という筋肉映画がありまして(見てないけど),まぁそんな感じ
盗まれた昨日
長期記憶用の外部装置というアイデアから,うまくストーリーを組み上げている
時空争奪
ちょっと難しい。わかるようなわからないような
【アンソロジー】異形コレクションXLIX ダーク・ロマンス
…といいつつ,既刊読んでおらず,読むのは初めて。
非常にクオリティの高い書下ろしホラーアンソロジーで,しかもSF畑の人も結構寄稿していて,大変良かった
1作品あたりのページ数があまり多くないので(長くても50頁くらい),日常生活の中でちょっとだけ読むのに丁度良く,しかも,「良いものをちょっとずつ」な感じは高級感もあり(高級コース料理みたいな),大変楽しめた
夕鶴の郷(櫛木理宇)
いきなりとんでもなく気持ち悪い作品で度肝を抜かれる
ルボワットの匣(黒木あるじ)
感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいが,展開は非常に上手い
黒い面紗の(篠田真由美)
「Tから始まる名」。最後に綺麗なオチがつく
禍 または2010年代の恐怖映画(澤村伊智)
めちゃくそ怖い。一般的にはあまり評価が高くないけど,「ノロイ」というのホラー映画(というかフェイクドキュメンタリー)が好きで,相通ずるものがある
馬鹿な奴から死んでいく(牧野修)
壮大な物語のプロローグのような
グロではない
兇帝戦始(伴名練)
「成吉思汗ハ源義経也」を題材に一ひねりしただけなのにこんなにも面白い。伴名先生の短編集,まだ読んでないんだけど(伴名先生が編んだアンソロジーは読んだ),やはり早めに読むべきか
ぼくの大事な黒いねこ(図子慧)
「猫の惑星」を聞きながら読むべき作品
ねこのかわいさと残酷さが見事に表現されている
ストライガ(坊木椎哉)
華倫変作品のような読み味
花のかんばせ(荒居蘭)
なんだか美しい作品
愛にまつわる三つの掌篇(真藤順丈)
三作品とも読みやすい
いつか聴こえなくなる唄(平山夢明)
全般としては古いSFチックで,とても良い
オチも含めて古いが,このオチは要らなかったのでは…
化石屋少女と夜の影(上田早夕里)
展開が綺麗
無名指の名前(加門七海)
なかなかこんな発想は出てこない
誘惑の民(菊地秀行)
こういう作品ってある意味日本ならではなのかな,と思う
再会(井上雅彦)
意欲作ではあると思うのだが,やはりどうにも馴染みがない感じで読みにくい
【短編集】流れよわが涙、と孔明は言った
三方行成先生の第二短編集。「トランスヒューマン~」が良かったのでこちらにも手を出してみた
流れよわが涙、と孔明は言った
表題作。出オチ。Self-Reference ENGINEに収録されてそう
折り紙食堂
第1話 エッシャーのフランベ
第2話 千羽鶴の焼き鳥
第3話 箸袋のうどん
第1話と第2話は若干スベっていたような気がするが,第3話は良かった
走れメデス
ダジャレ
闇
面白かったんだけど,ものすごく中途半端なところで終わっている…
なお,「電柱アンソロジー」収録とのこと。読んでみたいな電柱アンソロジー
竜とダイヤモンド
素晴らしかった。「ドラゴンカーセックスアンソロジー」収録とは思えないほどよかった
【アンソロジー】Genesis されど星は流れる
Genesis されど星は流れる
宮澤伊織「エレファントな宇宙」
続き物らしいのだが,これ単体ではイマイチ
空木春宵「メタモルフォシスの龍」
悪くはない
オキシタケヒコ「止まり木の暖簾」
<通商網>シリーズの3作目。前作(平林君と魚の裔)が良すぎたので,やや落ちる
松崎有理「数学ぎらいの女子高生が異世界にきたら危険人物あつかいです」
タイトルどおり。楽しく読める
堀 晃「循環」
大阪SF…。大阪の風景の描写はちょっとわからない。本筋自体は面白い
宮西建礼「されど星は流れる」
大変良かった。コロナ禍の中,学校に集まれない高校の天文同好会が流星の観測を始める,という話。時代性があるうえ,「同時観測」とか,「系外流星」とか,ドキドキする
折輝真透「蒼の上海」
よくわからなかった。描写は美しかった