【短編集】天体の回転について

 小林泰三先生のSF短編集

玩具修理者」が良かったので,最近の短編集にも手を出してみたが,非常にクオリティが高く,読みやすかった。SFではあるのだけど,小難しくはなくて,アイデア一発で読ませるような作品が多く,楽しい

 

天体の回転について

軌道エレベーターモノ

 

灰色の車輪

ロボット三原則は,やはり知性あるロボットに適用するのは無理があるのでは,という話

 

あの日

これはコメディだと思いますよ!漫画で読んでみたい

 

性交体験者

エロ&グロ!カマキリ人間の話かな?

 

銀の舟

私も人面岩は大好きなんですよ

 

三〇〇万

「300」という筋肉映画がありまして(見てないけど),まぁそんな感じ

 

盗まれた昨日

長期記憶用の外部装置というアイデアから,うまくストーリーを組み上げている

 

時空争奪

ちょっと難しい。わかるようなわからないような

【アンソロジー】異形コレクションXLIX ダーク・ロマンス

井上雅彦先生編集のホラーアンソロジーが約9年ぶりに復活!

…といいつつ,既刊読んでおらず,読むのは初めて。

非常にクオリティの高い書下ろしホラーアンソロジーで,しかもSF畑の人も結構寄稿していて,大変良かった

1作品あたりのページ数があまり多くないので(長くても50頁くらい),日常生活の中でちょっとだけ読むのに丁度良く,しかも,「良いものをちょっとずつ」な感じは高級感もあり(高級コース料理みたいな),大変楽しめた

 

夕鶴の郷(櫛木理宇

いきなりとんでもなく気持ち悪い作品で度肝を抜かれる

 

ルボワットの匣(黒木あるじ)

感想を書くとネタバレになってしまうので書きにくいが,展開は非常に上手い

 

黒い面紗の(篠田真由美

「Tから始まる名」。最後に綺麗なオチがつく

 

禍 または2010年代の恐怖映画(澤村伊智)

めちゃくそ怖い。一般的にはあまり評価が高くないけど,「ノロイ」というのホラー映画(というかフェイクドキュメンタリー)が好きで,相通ずるものがある

 

馬鹿な奴から死んでいく(牧野修

壮大な物語のプロローグのような

グロではない

 

兇帝戦始(伴名練)

「成吉思汗ハ源義経也」を題材に一ひねりしただけなのにこんなにも面白い。伴名先生の短編集,まだ読んでないんだけど(伴名先生が編んだアンソロジーは読んだ),やはり早めに読むべきか

 

ぼくの大事な黒いねこ(図子慧)

「猫の惑星」を聞きながら読むべき作品

ねこのかわいさと残酷さが見事に表現されている

youtu.be

 

ストライガ(坊木椎哉)

華倫変作品のような読み味

 

花のかんばせ(荒居蘭)

なんだか美しい作品

 

愛にまつわる三つの掌篇(真藤順丈

三作品とも読みやすい

 

いつか聴こえなくなる唄(平山夢明

全般としては古いSFチックで,とても良い

オチも含めて古いが,このオチは要らなかったのでは…

 

化石屋少女と夜の影(上田早夕里)

展開が綺麗

 

無名指の名前(加門七海

なかなかこんな発想は出てこない

 

誘惑の民(菊地秀行

こういう作品ってある意味日本ならではなのかな,と思う

 

再会(井上雅彦

意欲作ではあると思うのだが,やはりどうにも馴染みがない感じで読みにくい

【短編集】流れよわが涙、と孔明は言った

三方行成先生の第二短編集。「トランスヒューマン~」が良かったのでこちらにも手を出してみた

 

流れよわが涙、と孔明は言った

表題作。出オチ。Self-Reference ENGINEに収録されてそう

 

折り紙食堂

第1話 エッシャーのフランベ

第2話 千羽鶴の焼き鳥

第3話 箸袋のうどん

第1話と第2話は若干スベっていたような気がするが,第3話は良かった

 

走れメデス

ダジャレ

 

面白かったんだけど,ものすごく中途半端なところで終わっている…

なお,「電柱アンソロジー」収録とのこと。読んでみたいな電柱アンソロジー

 

竜とダイヤモンド

素晴らしかった。「ドラゴンカーセックスアンソロジー」収録とは思えないほどよかった

 

【短編集】トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

トランスヒューマンガンマ線バースト童話集

三方行成先生のSF(?)バカ連作短編集

 

地球灰かぶり姫

衝撃の第一作

 

竹取戦記

これも良い

 

スノーホワイトホワイトアウト

白雪姫。なお良い

 

<サルベージャ>VS甲殻機動隊

猿蟹合戦のはずだが,あまり猿蟹合戦らしさはない

 

モンティ・ホールころりん

大好き。壮大さと,バカバカしさと,ロマンスの融合。モンティ・ホール・ショーーー!!!

 

アリとキリギリス

ここまでの話の総まとめ

 

【アンソロジー】Genesis されど星は流れる

Genesis されど星は流れる

東京創元社のSFアンソロジー

 

宮澤伊織「エレファントな宇宙」

続き物らしいのだが,これ単体ではイマイチ


空木春宵「メタモルフォシスの龍」

悪くはない


オキシタケヒコ「止まり木の暖簾」

<通商網>シリーズの3作目。前作(平林君と魚の裔)が良すぎたので,やや落ちる


松崎有理「数学ぎらいの女子高生が異世界にきたら危険人物あつかいです」

タイトルどおり。楽しく読める


堀 晃「循環」

大阪SF…。大阪の風景の描写はちょっとわからない。本筋自体は面白い


宮西建礼「されど星は流れる」

大変良かった。コロナ禍の中,学校に集まれない高校の天文同好会が流星の観測を始める,という話。時代性があるうえ,「同時観測」とか,「系外流星」とか,ドキドキする


折輝真透「蒼の上海」

よくわからなかった。描写は美しかった